1900年
自動鋳造機(四つ足)
【主な出来事】
「創業時のお話」
初代の社長は警視庁に勤めていましたが、友人から会社を引き継ぐこととなり、印刷所をはじめました。当時の職工さんはとても荒っぽく、日給制で毎日給料がでていましたので、翌日来ない人もいました。また工場での喧嘩も絶えなかったのですが、警察出身の初代社長が木刀をもって工場を歩き、職工さんをまとめていました。
1930年
火災後復旧社屋の上棟式
昭和27年頃の文明社一階印刷工場
【主な出来事】
「原点のお話」
製品に対してこだわりが忘れられていると感じたことがありました。校正紙ひとつの出来にしても、活字ののりがばらばらだっりしていました。そこで活字を鋳造するところから取り組み、品質を上げていきました。こだわりを持ち続けること。これが原点です。
「疎開、再開のお話」
戦時中は活字の母型も鋳造の機械も山梨県に疎開させて守り抜きました。戦後戻ってきた東京の会社は焼け崩れており、鉛も全て溶けて地面に埋まっていました。一日でも早く復興するようにと、溶けた鉛を掘り起こして精製し、活字を作り直しました。これらのことがあり、戦後かなり早い段階で、印刷を再開することができました。
1950年
竣工した本社新ビル
ハイデルベルグRZO菊全二色オフセット印刷機
【主な出来事】
「活版のお話」
活字の版は印刷物と全て逆向きになります。最初は慣れるまで非常に難しく、とても時間がかかりますが、熟練の速い人はリズムをとりながら1時間に1000本以上活字を拾うことができました。活字が入っている文選箱には一番使用する頻度が高い「の」の活字が真ん中に置いてありました。
1970年
竣工した「st.vanff」
【主な出来事】
「TYPE is TALK.」
文字には心があります。詩、小説、手紙など伝えたい内容によって、また読む相手によって、文字の大きさや行間などを変えていきます。組みには全て意味があります。こうすることによって、ページが語り、文字が語り出すのです。この心を忘れてはいけません。
「オフセットのお話」
活輪の時代は32ページものであれば約18時間にも及ぶむらとりの作業が発生していました。その後、新宿ではオフ輪一色機、足立にはオフ輪二色機を導入し、生産性が劇的に向上しました。現場は印刷機の能力を最大限引きだすのが仕事です。当時の技術者は刷り上がりに対して、活版は文字に柔らかさがあり、オフセットはシャープで堅くなる印象を持ちました。
「時代がかわっても」
アナログの組版を知っているという強みがあります。扱うツールが変わっても、組版の基本は変わりません。どんな時も結果をイメージして仕事を行うことができるのです。
1990年
新宿生産センターのCTP
足立生産センターの輪転印刷機
【主な出来事】
「100年の時間、これからの時間」
会社が100年続く間には、働く人も何世代も交代しつつ、社会や技術の進化にあわせて、自分たちが変わり続ける必要があります。社是「一流の品格、一流の信用、一流の製品」があるおかげで、安心して次の世代に託すことができます。